はじめに

静岡大学教育学部の藤井基貴准教授(静岡大学大学院教育学研究科附属現代教育研究センター所長)が、2023年度に引き続き、静岡文化芸術大学の教職員を対象としたアカデミック・ハラスメント研修を担当しました。本研修では、本センターの最新の研究成果を取り入れ、前回よりも一層実践的な内容となりました。

【前回】 教育学の知見から「自分の指導」を問い直す(2023年)

前回の研修では、ハラスメントの類型や最新事例の紹介に加えて、「大学教育とは何か」「教育の原理とは何か」といった教育学の基礎的知見に基づく理論的な解説がなされました。また、無意識バイアスや、これまで受けてきた指導の再生産性に着目し、「教えられたように教えてしまう」構造そのものを捉え直すことで、ハラスメントは個人の資質や性格の問題ではなく、教育の構造や文化の中で生じうる課題であることを指摘して、参加者間で共有しました。

2023年研修レポート: https://shizudaikyouken.main.jp/2024/01/17/risk-2/

【今回】 アカデミック・ハラスメントを予防する「見方・考え方」を身につける(2025年)

今回は、アカデミック・ハラスメントを予防するための「見方・考え方」に焦点を当てた内容となっています。前回の研修内容をもとに、大学においてハラスメントが生じる構造を、より具体的かつ実践的に検討しています。研修では、研究倫理やスポーツ倫理の分野でも用いられている〈志向倫理〉と〈予防倫理〉の二つの視点を紹介するとともに、〈個人・組織・制度・文化〉という四つの要因を軸に、単なる「注意喚起」にとどまらない予防の在り方について解説がなされました。研修の中では、対話型のアプローチを随所に取り入れて、ヒヤリハット事例やグッドプラクティスを持ち寄り、参加者同士がグループで議論を行いました。その中で、「一人で判断しない」「抱え込まない」ための視点や姿勢を共有し、大学内における同僚間の規範意識の醸成を図りました。これらは、本センターがこれまで進めてきたリスク研究や教育プログラム開発の研究成果を反映した内容となっています。

藤井基貴先生 (静岡大学 准教授)
 グループで議論している様子

お問い合わせ

 本研修に関するお問い合わせやご相談は、以下までお気軽にご連絡ください。本研修は、FD研修や新任教員研修など、各大学の実情に応じた形での実施が可能です。また、現代教育研究センターでは、アカデミック・ハラスメントにとどまらず、スポーツ団体、教員研修、一般企業等を対象とした各種研修も実施しております。